長編(ブック)

□第三十話
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エネル「この方舟“マクシム”が発動した今
  泣けど騒げどもうこの国の助かる道はない」


エネルは椅子へと再び座る。


ナミとアリアはエネルを見る。


エネル「……どうした せっかく生き長らえたのだ
  ……至らぬ者たちなど切り捨てろ
  …貴様たちとて先に臨む未来もあろう…」

ナミ「……望む未来……?
  ええ あります……
  だけど このままあなたと行けば
  私はアリアと一緒に孤独になる…
  望むものを孤独なまま手に入れて何が楽しいの?
  ほんとは…!! 
  やりたい事も欲しいものも…たくさんあるけど…
  ……このままあいつらを捨てて
  あんたと一緒に行くくらいなら!!」

エネル「………」

ナミ「私もう!! 何もいらない!!」

『ナミ……』


エネルはこの言葉に体に雷を纏う。


エネル「命もだな」


エネルはナミに向けて雷を放とうとするが―


エネル「この舟にのっていたくないのならば運命は1つ…」


ナミ「………」


エネル「あまり利口な言動とは言えんな 
  これでお前は生き残れる術を失ったのだ……!
  なあ アリア」


『……っ!!』


拒否したい気持ちでいっぱいなのに

そうした時の事を考えると

震える拳を握りしめるアリア。


エネル「………あるいは………
  紛れ込んだ2匹のネズミにでも
  希望をかけてみるか……
  ヤハハハ」


ナミ「……!! え…」

『……あの二人は―……』


この少し前 メリー号で気絶していたサンジは目を覚ましていた。

そして方舟を見て驚いていた。


方舟の上にナミとアリアがいたのに気が付いたサンジは

ウソップをたたき起こして舟へと向かうことに―…。


そして現在

方舟に乗り込んだサンジとウソップ。


ウソ「サ…サンジ どうしようってんだよ!!
  こんなにバカデケェ舟だ 何百人乗ってるかわからねェ
  突破できるわけねェよ その上 
  “神”や神官に出てこられたらもう…」

サンジ「え――い 往生際の悪い
   とにかくいいな 敵は“心網”を使う!!
   コソコソしたって意味はねェ
   中に入ったら2手に分かれて一気に甲板を目指す!!
   ナミさんとアリアさんはそこにいる!!」

ウソ「何ィ―!? バラバラに行くのか!?」

サンジ「バカヤロウ!!
   拡散しねェと共倒れになっちまうだろ!!」

ウソ「……!? 何だ そのどっちか死ぬ様な言い方……!!
  待てお前……!! まさか!!
  ナミ達の為に…」

サンジ「いいか ウソップ!!
  おれは…ナミさんとアリアさんの為なら
  お前が死んでも構わない」

ウソ「ハリ倒すぞてめェ!!」

サンジ「さァ 行くぞ 待っててナミさん!!
   アリアさん!!」

ウソ「話済んでねェだろ!!」


バタバタとしながら舟の中へと入っていく2人。
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