長編2(ブック)

□第百十九話
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エースとジンベエの牢屋——

ジンベエの目からは涙が流れる。

ジンベエ「……わしァ 政府には
  海賊嫌いの海賊と通っとりやすが……
  あんたらは全く別さァ………!!」
エース「海賊嫌い………? お前が………?」
ジンベエ「エースさんにゃあ意外じゃろうのう……
  白ひげの船にはよう出入りいとったが
  立場もあり全て海底を進み行動しておった
  …………あんたらの事は好きじゃからのう……」
エース「………おれァ お前に殺されかけた思い出があるけどな……」
ジンベエ「………それはお互い様じゃろうが………!!
  わしは ただあの人の役に立ちたかった…
  今……「魚人島」に平和があるのは……!!
  全て“白ひげ”のオヤジさんのお陰じゃからのう………!!
エース「…………」
ジンベエ「“偉大なる航路”を進めば必ず海賊達が通る「魚人島」……!!
  “大海賊時代”が始まってまもなく……魚人島は荒れた……!!
  抑えきれねェ程の人間の海賊共……!!
  それを追う海軍……!!
  多くの魚人と人魚達が攫われて……売られて……
  もうみなが絶望に目を閉じた所へ
  “白ひげ”は現れた……!!
  あの日の事は…忘れもせん………!!
  ——あのたった一言で魚人島には誰一人 手出しできん様になった……!!
  そうやってあの人は……いろんな島をその名前で守っとる……
  海賊のボスだから打ち倒せばいいってモンじゃないでしょうが………!!」
エース「…………」
ジンベエ「あの人が万が一………死んだら……海がどうなるか…!!
  政府は予測できん訳でもあるまいに!!!
  わしは死んでもこの戦いを止めたかった!!! 
  あんたを救い出したかった………エースさん……!!」
エース「……ジンベエ………もう よしてくれ 辛ェだけだ………!!」
ジンベエ「………まだ希望は捨てておらん……“奇跡”と…“チャンス”を
  ……わしは信じている!!」
エース「……………!!!」

すると別の牢屋から声が響く。

「………クハハハ シャバは…ずいぶん面白ェ事になってる様だな……
 クククク………!!
 “白ひげ”を討ち取るにゃあまたとねェ好機(チャンス)ってわけか……!!
 こりゃあ さすがに血が騒ぐ……!!!」

ジンベエ「………!! 貴様……!!」
エース「……お前がオヤジの首を取るだと…!?」

「おれだけじゃねェさ……」

するといろんな所にある牢屋から
「“白ひげ”を殺せ」だの「首を取るのはおれ」だと騒ぎ始める。

ジンベエ「黙れ貴様らァ〜〜〜〜〜〜!!!」

「ジンベエ……“火拳”……!!
 よォく覚えておけ…!!
 “白ひげ”や“ロジャー”に勝てなかっただけで
 涙をのんだ「銀メダリスト」達は……この海にゃァ ごまんといるんだぜ!!
 ………クハハハハハ!!」

左手にあるかぎ爪をなでながらそういった男———。
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