長編2(ブック)

□第百十四話
1ページ/8ページ

風呂場で起きた大きな物音で扉の前に構えていた妹の二人が入って来る。

マリ「姉様!!」
サン「姉様 一体何事なの!?」

二人は窓の近くにいるルフィを見る。

サン「誰だあれは!!…男!!?」
マリ「男がなぜこの国に……!!?
  姉様!! ローブを!!
  ………一体何が起きたの………!!?」

ルフィ「いや…あのおれ…」

ハン「背中を…見られた………!!!」
「「!!?」」
マリ「———では死んで貰う他ないわね」

ルフィ「え!? なんでだよ 背中見たくらいで………!!
  ———でも何だかな どっかで見た事ある様な」

ハン「そなたが見た背中のこれは
  わらわ達がたとえ死んでも見られたくないものじゃ……!!」

ルフィ「アレが………!!? 何で!!? お前誰だ!? 何で!?」

ハン「見たもの全て…!! 墓場へ持ってゆけ!!
  “メロメロ甘風”!!!」

ルフィ「え? ノロノロ!?」

ハンコックは両手を構えて
ルフィへ波動を浴びせる。

ルフィ「ノロノロビームか!? やべェ ノロくなる!!
  ノロく………!!」

ルフィは勘違いをしながら
構えるが——
何も起きず……疑問符を浮かべる。
ハンコックも何が起きたのかわかっていなかった。
再びハンコックは——…。

ハン「“メロメロ甘風”!!」

ルフィ「うわあああ」

波動は再びルフィを通り抜けていく。

そこにいた者みんなが首をかしげる。

ハン「なぜ石化せぬのじゃ………!!?
  わらわの…湯浴みの姿を見ても 何ら心が動じておらぬのか!?」
マリ「そんなバカな事はないわ姉様!!
  姉様の裸体など老若男女問わず見惚れる美しさ!!
  効かないのは姉様のご友人 おひとりのみ!!」
サン「おそらく死への恐怖心が邪心を凌駕したのだわ
  情けなくも運のいい男…!!」
ハン「!」

ルフィ「何だか知らねェけど 逃げよ とにかく!!
  おれはえらい奴に会いてェだけなんだよ!!」

ルフィは走り出す。

ルフィ「たァ!!」

マリ「飛び出した!! この高さから!!」

ルフィは窓を割って外へ飛び出す。
だがハンコックは——

ハン「ちゅっ♡ 逃がさぬ!!」

指先に乗せたハートを
ルフィへと撃つ。
それは浮いているルフィに避けられるわけもなく
当たってしまう。

ルフィ「なんだ!? 鉛玉じゃねェのか!?」

落ちるルフィ。
その先には九蛇の女たち——

ハン「侵入者じゃ!!
  その男取り押さえよ!! 九蛇海賊団!!」

「は…はい!! 男!? なぜ男が!!」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ