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□予測できなかったソレ
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「‥‥‥‥‥ぁ‥‥?」
小さな呟き。
不思議そうな顔は、そのまま後ろに倒れた。
「‥‥‥‥」
俺は黙って名簿に線をひく。倒れたやつの名前を、真っ黒に塗り潰す。見ると、名簿の半分は黒に染まっていた。
「二日目でこのペースか。データ通りだ。」
――BR法‥‥‥‥‥。
壊れた大人のくだらないゲームに、俺達は巻き込まれてしまった。
『今から君達に、ちょっと殺し合いをしてもらいます。』
宣言をされ、島に出されて二日。慣れとは怖いもので、銃声くらいではもう驚かなくなっていた。
ここから出られるのは一人だけ。
――どうせ死ぬのなら、苦しまずに逝かせてやりたい。
くだらないエゴだと思いながら、それでも武器である銃を握った。
幸いというか、データ通りというか。
テニス部レギュラーにはまだ会っていなかった。
今まで俺が殺してきたのは、“見たことがある”程度の人間ばかり。
だから、
「柳せん、ぱい‥‥‥?」
振り返って懐かしい顔を見たとき、一瞬胸が苦しくなった。