もしもの話、すきまの話

□【戌】当たり前だろう
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「あっ!出口!」


遠くに光の射し込むところ…洞窟の出口が見えてきたところで、全員がホッとしたのも束の間

後ろから5〜6体程の鬼が迫っていた


「グゥゥォォオオオ!」

「うわぁ!
このままじゃ追い付かれるよ!」

「まずいな……」

『……篠、先行ってて!』

「何を言っている!」


先頭を走る篠
そのすぐ後ろの名前が、そう言って速度を落とし始める


『いいから!
倒したらすぐ行く!

……久遠!!』


「!
フン!」


久遠と並んだ辺りで逆方向…鬼の方をを向けば、
まるで打ち合わせでもしたかのように久遠もそちらに身体を向け、攻撃体勢をとる


「いいだろう。
足を引っ張るなよ、名前!」

『ふふ、そっちこそ!』


「全くお主らは…!
道に迷うでないぞ!」

『迷わんわ!!』

「……どうだかな…」



離れていく篠に声を荒げて反論するが、久遠は篠に加担するらしい


『全く失礼な……!』

「ふん……安心しろ。
迷っても俺が連れていってやる」

『っ!
(…なんか、無駄に格好良くてムカつく…!!)』

「おい、来るぞ!」


そんな言葉を心にしまっていると、鬼がすぐ近くに迫っていた久遠に霊力を送りつつ、一体目の鬼をバットで殴り飛ばす


ドカッ


名前の霊力をうけ、久遠も鬼をなぎ倒し始める




数分後に立っていたのは、背中合わせの名前と久遠の二人だけだった



『はは、やっぱり久遠が一番息合うなぁ』

「…ふん

当たり前だろう」


 


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