干支の足跡

□12,業者を呼ぶ
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天太「うっひょー!すげー絶景!
おい!!タワーとスカイが両方見えるじゃねぇか!!」

氷雨「おお……人がゴミのようだ。
あくせく働く社畜がゴミのようだ」


神社での真面目な話から数時間後。
鈴の転送術によって、小春達は篠の住むマンションに来ていた

バルコニーに出た天太は手すりに乗り出しながらはしゃぎ、その隣に来た氷雨は手すりから下を見下ろしながら名前もよく言うお決まりの台詞を言っている


そんな二人の後ろでは凪がテンション低めの声で


「完全に成功者の光景じゃん。ゴーリキーと彼氏が見るやつじゃん。
行き過ぎてて逆に引くわ」


と悪態をついていた。
しかし、そんな凪よりも低いテンションのものが数名。



尊「…はぁ……
悪いがあまり騒がないでくれ……
頭が痛くなる……」

一色「ぅぐ…
……ごめん……僕もう吐きそう……」

小春「うぅ……私も……気持ち悪い……」


……否。
テンションが低いどころではなかった。

東京の一等地にある、篠の豪華なマンション……
そこから見える風景は美しく、普段ならじっくりと眺めていただろうが、小春やほとんどの干支は気分が悪くてそれ所ではなかったのだ。

なぜなら霊力を集中させてその風景を見てみると、赤黒い鬼の瘴気がそこら中に見え隠れしており、まさに“魔都”と言える禍々しい空気が立ち込めているからだ。


 
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