干支の足跡
□7,無事で良かった
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『………はぁ』
鋭い頭痛とともに目が覚めた
重たい身体をなんとか起こして出勤の準備をする
玄関のドアを開ければ、空はどんよりと厚い雲で覆われていた
『……
雨は振らないって言ってたけど…』
一応、傘を持って名前は家を出た
頭痛薬を飲んだにも関わらず、仕事中も頭痛が消えることはなく、寧ろ悪化していく一方だった
「椿さん、大丈夫?
体調悪かったら、今日はもう帰っても大丈夫だよ?」
普段はあまり体調を崩さないので、余計に具合が悪そうに見えたのだろう
加えて明日も休んでいいと言われ、今回はお言葉に甘えることにした
『うぅ…』
持ってきた傘を杖がわりにして歩く。軽い吐き気も感じてきた時、ようやく原因が明らかになった
『………これ…』
辺りを、赤黒い瘴気のようなものが漂っている