月華の守人
□設定
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主人公設定
篠宮 命
世闇に紛れて羅刹たちを屠った、小柄の少年。その正体は黒髪に深い藍色の瞳を持つ男装の神巫(かんなぎ)。齢十八、好きなものは白玉とこしあん、嫌いなものは辛い物と女子供への暴力。
昼の顔は祇園の巫女、夜は妖(あやかし)を追う『柊斬(ひいらぎ)』の精鋭。愛刀の紅を佩き、陰陽術を使う。月の神である月詠命(つくよみのみこと)の寵愛を受けている神巫(かんなぎ)で、強い浄化能力を持つ。
はぐれ鬼の『銀朱の鬼』を追っている。羅刹を作り出した新選組に接触し、『柊木』が幕府に騙されているのではないかと疑う。がしかし、それが雪村の名を冠す蘭方医によるものと知り、滅びた稀有な血族の鬼たちに手を貸す存在がこの町にいることを疑う。
オリジナルキャラクター
天照大神の神巫女
椿木 神楽
突如失踪した神巫の少女。黒髪に薄氷色の瞳を持つ。由緒正しい神の加護を受ける家系の椿木家の子女で、『柊斬』有数の強い神通力を持つ。十年前に起きた篠宮一家虐殺事件で、一人取り残された命の存在に気づき救出した。
失踪の三日前、大病が起こる予言をしている。
その他設定資料
特殊事象取締管轄『柊斬(ひいらぎ)』
天津神々(あまつかみがみ)の加護を受ける術師たちを中心とした組織。かつて藤原氏の世ではその歴史の背後で、猛威を奮い、厄災を生み出した呪術師や呪縛霊たちの多くを葬り、陰陽社会の掃除屋として暗躍していた。その一方で政治社会の権力や富に依存し、戦を巻き起こす一端となった者が戦火に身を投じたために組織が二分し、血生臭い内部抗争の歴史をも持つ。
現在ではかつて鎮めた霊の鎮魂や神社の管理、妖の捕縛などを中心に任務を遂行している。高天原(たかまがはら)から現世(うつしよ)、そして隠世(かくりよ)を貫き均衡を保つ天之御柱(あまのみはしら)を代々守り続けている。
組織内でも有数の能力を持つ天照大神の神巫女が失踪し、その数日後、各地の妖たちがケガレガミと化した事態を受けて大病を察知、幕府と接触。表向きは幕府の要人として庇護を受け情報提供を受ける代わりに、京・江戸を中心とする町を守護する協定を結んだ。
表向きは天津神々や八百万神々(やおよろずのかみがみ)を奉る神社で巫女や神主をして、各地の神を鎮める役割を担っている。
大病(おおやまい)
あらゆるものたちを瘴気で侵す災厄。地を守護する神々を祟り神に堕とすことで起きる。祟り神が人や妖の精神を狂わせる瘴気をまき散らすため、あらゆる災厄や悲劇を引き起こす。
祟り神(たたりがみ)
守るあるいは世の理に沿い存在を維持するべき神が私怨を抱き、呪いを生むことで堕ちる。神の力が強いあるいは呪いの効力が高ければ、病を生み、大きな災厄となる。
天照大神(あまてらすおおみかみ)
三貴神の一柱。世界を照らす強烈な陽の神。高天原の管理をしているとも云(い)われ、最高神ともされる。天照大神が隠れただけで大病と化した天岩戸隠れ事件で知られる。
月詠命(つくよみのみこと)
三貴神の一柱。天照大神とともに天空を統治し、そのうち夜を守る神。月に関係するもの全てを司る。
また一説では死を司る神の一柱とも云われ、実際に天照大神の命令で訪問した保食神(うけもちのかみ)を月詠命が殺している。その結果天照大神の姉弟ながら彼女に嫌われている。神殺しの神でもあると言える。
第一話 『深藍の夜に』