伊東さんとの日々

□ベタな話
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『あれ、電気の消し忘れかな……あ……』

艦内の点検をしていたところ、仮眠室の灯りが付いており今日は徹夜事は入っていないと聞いていたため不思議に思ったけれど誰かいるようだった。

『伊東部長……?』

静かに近づくとそこに寝ていたのは伊東保安部長だった。いつも目を閉じているから寝ているかもわからないけれど。ここまで近づいて起きないということはきっと寝ているのかもしれない。そして思いの外綺麗に整っている顔をじぃっと見つめる。触れたら柔らかいのかな、とか。百合亜ちゃんに以前、こっそり寝ているところにキスでもしてみたらと言われたことがある。いや、あくまで私たちは上司と部下の関係。でも、以前ロックオンさんに手の甲ににキスをされたことがある。日本が真面目なだけで、他では普通なのだろうか。

『いつもお疲れ様です……』

そう一言をこっそりと言い、伊東保安部長の頬に唇を寄せて、そっと触れた。

『やっぱり柔らかい……』

男の人の肌も柔らかいんだ、と感動する。その感触を思い出した途端急に恥ずかしくなり私は静かに仮眠室から出て行った。


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