TWICEの部屋book1

□女の子は女の子
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どうせ叶わない恋ならさ、
私はさ、

ジョンヨン「‥‥バッサリ切ってください。」

男の子になるからさ。

___

モモ「ジョンヨン‥先輩?」

ジョンヨン「ん、」

モモ「その髪型‥、」

ジョンヨン「またね、」

モモ「え、まっ、」

廊下を普通に廊下をあるく。
モテモテの陽キャを横目に窓の隙間から入る
風を感じる。

ジョンヨン「あ、」

学校の規則的にズボンにすることは不可能。
でも努力することは可能。

ミナ「ジョンヨン‥先輩?」

ジョンヨン「あ、おはよ、ミナちゃん、」

ミナ「へへ、おはようございます。髪型、結構変わりましたね。」

ジョンヨン「そう?」

ミナ「かっこ可愛い感じ、似合ってますよ」

ジョンヨン「え、あ、ありがとう、」

あなたは女の子なんて好きにならないんだ。
あなたは男の子だけを好きになるんだよね。

不意の言葉に私の心臓はバックバク、

ミナ「ふぁー、モモりんおはよ、」

モモ「おはよぉー、みーたん。」

私もあの場所に加わりたい。
モモ、かわってよ。

ナヨン「あんた‥、髪‥、」

ジョンヨン「ん?あぁ、」

ナヨン「そこまで?」

ジョンヨン「‥、」

ナヨン「なんでそこまで?」

胸も目立たないようなぶかぶかのベスト。
私服もスカートは一枚だけ、

ナヨン「‥もういいじゃない。」

幼馴染のナヨンおんに、
そんなんだから泣きたくなるんだよ。

ジョンヨン「諦めたいよ。簡単に。」

優しい、優しい、辛い、

ジョンヨン「もういい、ってなりたいけど」

目から雫が落ちそう。あぁ。

ジョンヨン「女の子しか‥愛せないし‥、」

ナヨン「ジョンヨン‥、」

ジョンヨン「‥‥ばいばい、」

逃げるように教室へ向かう。
あんな言葉をかけるから辛いのに。

女の子、なんて眼中にないのに、


モモ「ジョンヨン先輩髪切ってたよなぁ。」

ミナ「あぁ、かっこよかったぁ、」

モモ「そうだね、」

ミナ「私のことなんか見てもないよなぁ‥、」

モモ「まだジョンヨン先輩?」

ミナ「‥‥うん。」

同性愛。どこかのテレビで見た事がある。
それが私に当てはまるわけがない。
そう思ってた。

でも出来事は突然で。

モモ「同性愛‥、レズビアン‥、」

ミナ「‥モモりんだけだからね、話してるの」

モモ「わかってる。」

底なし沼。突然にわかった。

この人が好きだって、
正直、自分でも信じたくなかった。

ミナ「‥そろそろ帰る。お会計しとく。」

モモ「あ、今日は奢るよ。」

ミナ「いいの?」

モモ「うん、」

ミナ「ありがとう。」

会話をすませ、モモりんの頬にキスをした。

ミナ「ばいばい、」

モモ「うん、」

私はまだそれほど暗くない帰り道を駆け足で帰ってった。

モモ「あんなの、するから‥、」

恋、それはまぁ難しいものです。



モモ「‥‥、」

泣きながら帰る帰り道。
それはどこか寒気がして、

相手も女の子が好き。それが明確。
それが明確。だからこそ辛いこの恋。

『女の子 好き』

モモ「‥、」

勝ち目がない。それは私もだし、
正直なところ、もちろんミナも。

あの透明感のある、あのどこか可愛いミナを

私だけのものにしたい。

モモ「はぁ‥‥、」

そうため息をつくと、見張ってたのか
と思うくらいにベストタイミングでくる
電話。そう。それはもちろん。

モモ「みーたんからだ‥、」

携帯に指を滑らせるとすぐさま聞こえる
大好きな声。

『モモりん、へへ、』

『どうしたの?みーたん、』

『聞きたいこと‥あって、』

『え、』

聞きたいこと。聞きたいこと。
その言葉が何度も頭の中をループする。

『なに?』

『ジョンヨン先輩、何が好きなのかなって』

『‥‥あぁ。』

その期待が一瞬で吹き飛ばされた。
また、また、ジョンヨン先輩先輩。

『スマホゲーム好きって聞いたよ。』

『‥そっかぁ。また考えてみる。』

『うん、おやすみ。』

『ありがと、おやすみ。大好き。』

『‥‥うん。』

会話を素早く終わらせた。
もういやだ。ミナとジョンヨン先輩なんて
きっと‥、





ゴールはすぐそこでしょ?きっと。 
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