短編小説

□キスの練習
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爆豪side



ある日、恋人である半分野郎から阿呆極まりない言葉を投げられた


轟「キスの練習させてくれ!」


爆豪「…………は?」



そりゃ今までキスしたことねぇっつー話なら俺もこいつを阿呆だとは言わねぇ

だが俺たちは毎日と言っていいほどしている


練習もなにも本番やりまくっといて何言ってんだこいつ



爆豪「…キスならいつもしてんだろうが。不満でもあんのか?今まで散々優しくしてやったのに本当は激しいのがお好みだったんかよ、お前。」


轟「え?ちがっ…爆豪!んんっ」


いつも口と口合わせるだけのキスでも顔真っ赤にして恥ずかしがってたじゃねーか

俺の勘違いか?

我慢してた俺が馬鹿みてぇだろーがクソ



轟の舌を舐めたり吸ったりする度にこいつは甘い声を漏らした


胸元をトントンと叩かれ唇を離すと轟は涎を垂らしながら息を整える


爆豪「息しろやばーか。」

轟「急に、されても…できるわけねぇだろ…初めてなんだぞ。」

爆豪「で?満足かよ、今まで温ぃキスしかしてなかったからな。」


そう言うと轟はキョトンとする


轟「温ぃキスってなんだ?ってそうじゃねぇ。俺は別に今までのキスに不満があるんじゃねぇんだ。いつも爆豪にされてばかりで…俺はおまえに何も出来てねぇから…

だっ、だから!俺もおまえのキスに応えられるようにしてぇって…思ったんだが……」


爆豪「くだんねぇ」


轟「くだらなくねぇ、俺にとっては重要だ。なのにおまえは今までより何も出来ねぇようなキスしやがって…とにかく、練習だ。俺は今のままじゃ嫌だ、俺もおまえにキスさせてくれ。いいよな?」


あ?何が嫌なんだよ

意味わかんねー事ペラペラ言いやがって

結局俺にされるだけじゃ物足りねーっつーことじゃねぇか

クソむかつくやつだなほんと


爆豪「…好きにしろ」


轟「ほんとか、爆豪!ありがとな」


爆豪「…っ、クソ…」


クッソムカつく野郎なのに

轟の笑顔を見るだけで全部許しちまう


…俺も相当イカレ野郎だな



だがまぁ、せっかく轟からキスするっつーなら楽しまなきゃ損だろ

そう思って目を閉じて待ってやる


5秒…10秒…15秒……


…こいついつまで人を待たせるつもりだ?
半分野郎の分際で俺を待たせるなんていい度胸しとんじゃねーか

我慢の限界で目を開けるとそこには



轟「……〜っ、〜〜〜!!!う……〜〜〜!!!!!!!!」


顔真っ赤にしながら悶える轟の姿があった


爆豪「…おまえ、何しとんだ」


轟「ばっ、爆豪…わ、悪ぃ……もうちょっと待ってくれねぇか?」



恥ずかしくてできねぇってか?

普段はスカした奴が俺の前ではこんな姿になりやがる

こんなおまえ見てそんな呑気に待ってられるほど、俺の気は長くねぇんだわ




爆豪「…んとにおまえはクソ野郎だなァ?」
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