短編小説
□不安
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緑谷side
…バタバタっ、ドタンッ!
緑「はぁっ……はぁ…、あ〜僕のばかっ!」
轟くんから逃げるように帰ってきてしまった
別に触れるのが嫌だったわけじゃない
轟くんと手を繋ぐのは恥ずかしいし落ち着かないけど、それ以上に幸せを感じられる
でも、幸せ過ぎて逆に怖くなっちゃって…
プルルルッ
緑谷「わっ!?な…電話?」
静かだった空間に着信音が鳴り響く
発信者は
緑谷「もしm『 緑谷。』…っ、轟くん…」
こんな時にふざけてるのかって言われるかもだけど耳元に聞こえる轟くんの低音イケボ素敵すぎてしんどい…
じゃなくて!!!!
緑谷「さ、さっきはごめんね。ちょっと…えーっと、そう!オールマイトの特番録画するの忘れてたの思い出しちゃってね。つい走り出しちゃった…あはは…」
いくら鈍い轟くんにもわかってしまうくらいわかりやすい嘘
こんな嘘、つかないほうがマシだったかもしれない
轟「オールマイトの…か。なら仕方ねぇな、お前オールマイト以上に好きなやつなんていねぇし。…悪かったな、嫌な思いさせたみてぇで。お前が無理することねぇよ、俺のわがままに付き合ってくれてありがとな。また明日。」ブツッ
僕の返事なんて聞くつもりもなかった
さっさと切られてしまった僕はホーム画面へと戻ったスマホを見つめる
…オールマイトの写真
オールマイトは小さい頃から好きで憧れだった
大体の人はオールマイトに憧れ、頼って、望んでいる平和の象徴
それは轟くんも同じだ
…でもちがう、違うよ
オールマイト以上に、比べ物にもできないほど好きで好きでたまらないのは────。