テニスのキング様
□お預け
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「そんなことはどうでもいいんですよ」と一年生。
「跡部先輩とどうなっているんですか!?全然話してないように見えるんですけど!?」
「いやーそれは…」
「せっかく付き合ったのに水の泡にするつもりですか!?この三年間の努力を!!」
そう。生活は何も変わらず…。それはとってもとってもありがたいのだけれど。
景吾君との関係もあのデートから特に何もなく。
話もろくに出来ていないというか。
景吾君もテニス部や委員会で忙しいし。遠慮してしまって自分から話しかけられず。
「どうせ根津先輩のことだから、跡部先輩に迷惑かけちゃいけないとか思って。ろくに自分から話せてないんでしょう」
「う…」
図星。
「もう、仕方のない人ですね」
下級生に説教されている私って一体…。
肩を落としてふとテニスコートに目をやると、部員達はラケットをバッグにしまって帰る準備をしている。
一年の子もそれを見るや否や、ニヤッと口を緩ませた。
「先輩。そこで待っていて下さい。ここに跡部先輩を連れてきます」
「は?え…。ちょ、ちょっと待って。ねぇっ!」
待ってという制止の声を振り切って一年の子はテニス部の集団に入っていく。
ど、どうしよう…。