テニスのキング様

□遊園地デート
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遊園地に二人しかいないのに、くるくると回り続けるメリーゴーランドを不思議な気分で見る。

景吾君はスタスタと歩いていく。

私には不思議な光景だけれど、景吾君にとっては普通の景色なんだなぁ。

「烈火」

スタスタと歩きながら景吾君が声をかけてくる。

「は、はい?」

「どれに乗りたい」

「え、えっと」

景吾君に手を引かれながら周りを見渡す。

誰かとお付き合いするのなんて初めてだから、こういう時どうしたらいいのか分からない。もちろん、男の子と遊園地に来たのも初めてだ。

その初めてが跡部君だなんて…。

バクバクと高鳴る鼓動を左手で抑えながら、どうしようかと焦ってしまう。

そしてハッと目に入ったものを声に出した。

「観覧車っ!!」

「観覧車がいいのか?」

「え!?あ、うん」

すると景吾君は何故か苦笑いを返してくる。そして景吾君と目が合った。

「普通はデートの帰りに乗るものじゃないのか」

「え!?」

た、確かに。よく見る少女漫画では観覧車で夜景見てるもんね。

ズーンと落ち込む。

「まぁ、烈火らしいといえばらしいな」

「う…」

「観覧車乗るか」
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