テニスのキング様
□遊園地デート
2ページ/4ページ
遊園地に二人しかいないのに、くるくると回り続けるメリーゴーランドを不思議な気分で見る。
景吾君はスタスタと歩いていく。
私には不思議な光景だけれど、景吾君にとっては普通の景色なんだなぁ。
「烈火」
スタスタと歩きながら景吾君が声をかけてくる。
「は、はい?」
「どれに乗りたい」
「え、えっと」
景吾君に手を引かれながら周りを見渡す。
誰かとお付き合いするのなんて初めてだから、こういう時どうしたらいいのか分からない。もちろん、男の子と遊園地に来たのも初めてだ。
その初めてが跡部君だなんて…。
バクバクと高鳴る鼓動を左手で抑えながら、どうしようかと焦ってしまう。
そしてハッと目に入ったものを声に出した。
「観覧車っ!!」
「観覧車がいいのか?」
「え!?あ、うん」
すると景吾君は何故か苦笑いを返してくる。そして景吾君と目が合った。
「普通はデートの帰りに乗るものじゃないのか」
「え!?」
た、確かに。よく見る少女漫画では観覧車で夜景見てるもんね。
ズーンと落ち込む。
「まぁ、烈火らしいといえばらしいな」
「う…」
「観覧車乗るか」