テニスのキング様

□救出
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跡部君がロープをつたって私の部屋の横まで来る。

「あ、跡部君?ななななな…。何してるの!?」

「根津こそ、何勝手に退学しようとしてんだ」

「いや、それは…」

私がしどろもどろしている間に、跡部君は華麗に私の窓へと足をかけ飛び移る。

「で、退学の理由は何だ。テニス部が負けたから、か」

「それは違うっ!」

声を張り上げる。

そうか。跡部君は私が告白のことを気にしていると思って…。それを理由に退学すると…。

「アーン?じゃあ、何なんだ」

「…」

跡部君のファンクラブ会長をやっているから…とは言えない。だけれども。

跡部君の視線がジッと私を捉える。

その時、ダダダダダと階段を上がってくる二つの足音が聞こえてくる。

まぁ、あれだけ騒音が鳴っていたら騒ぎになるわな。

ダン、と激しい音を立てて私の父と母が部屋に入ってきた。

「…」

「…」

父と母、そして跡部君の視線が交差し合う。お互いに数秒、固まる。

やがて父の方が先に口を開く。

「…誰だ。この男は」
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