テニスのキング様

□独白
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―跡部視点―

後ろから部員が着いて来るのが分かる。

「なんや、相変わらず人気やな」

声をかけてきたのは予想通り忍足だ。

「でも、三年になってだいぶ落ち着いたように見えるんやけど」

「アーン?お前の目は節穴か」

俺様はアイツを横目で見る。

それで全てを察したのか忍足は妙にニヤケながら頷く。

「あの子がファンクラブの子をまとめてくれとるからやろ。おかげでテニスの時間が増えて助かっとるしな」

さっきまで群がる雌猫どもに声をかけていたアイツは遠巻きにこちらを見ている。

そして目が合った。

アイツは妙にソワソワしたかと思うと、小さくガッツポーズをする。

口をなにやら動かしている。

「頑張れ」と言っているのが分かった。
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