テニスのキング様

□告白
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「だから付き合ってください」と言葉を続けようとするものの、跡部君が私の言葉の上に被さるように話し出す。

「悪いが俺様は初対面の女と付き合う気はない」

「……デ、デスヨネー」

アハハと私は空笑いを浮かべる。

よくよく考えてみると、いや考えなくても、そりゃあそうだ。入学式初日で告白して私の一目惚れが叶うはずがない。

でも。

「それでも伝えたかったの。一度でいいから私も…跡部君のように臆さずに何かを成し遂げて見たかった。それが跡部君への告白ならいいなって」

「…そうか」

跡部君は静かに呟いた後、「それに」と言葉を続ける。

「それに俺様は当分誰かと付き合う気はない」

「え?」

「俺様はテニス部に入る。そして、俺様率いる氷帝学園が全国を掴み取る!今はそれしか考えてねーからな」

そう言った跡部君の目がまたキラキラと煌めいて、振られたばかりなのにまた胸が高鳴ってしまう。

やっぱり私…。跡部君のこと、諦めたくはない…。

「もし、もし。テニス部が全国を掴み取ったら跡部君は誰かと付き合う気になる?」

「アーン?何言ってんだ、お前」

トンチンカンなことを言っていると分かっていた。けれどやっぱり。
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