テニスのエース様

□畳の格闘技
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「ということでね」

私はテニス部の練習が始まる前に、テニス部部長の手塚君に声をかける。

「明日だけは合同練習できなくて」

「そうか」と前にいる手塚君は呟く。

そしてかすかに上を向いて何かを思案したかと思うと、また私に視線を戻した。

「よければ、かるた部の練習に付き合わせてはもらえないか」

「え?」

それってつまりはテニス部がかるた部に混じって練習するわけで。…テニス部にとって得はあるのか?いや、でもかるたとテニスって似たところもあるって気付いたし。

私は「うーん」と唸って口を開く。

「素振りの練習くらいなら一緒に出来ると思うけれど。試合は難しいと思う」

そもそもかるたは100首の上の句と下の句を一致させるところから始めなきゃ、何も出来ない。

「ああ、分かっている。試合中は見学で構わない。そもそもかるた部もテニス部が練習試合をしている時は、見学しているだろう」

確かに。かるた部はテニスのルールもいまいち分かっていないし。

私は手塚君の言葉に、コクリと頷く。

「分かった。手塚君がそれでいいなら」
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