テニスのエース様
□合同練習開始
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私と手塚君がコートに入ってしばらくすると、続々とどちらの部員も集まってくる。
先に集まったのはかるた部員。
まぁ、かるたの試合は時間厳守なわけだし遅刻なんかしたら基本は不参加。良くても暗記時間が削られるからなー。
そして最後に来たのは一際背の小さいレギュラージャージを着た男の子。
もしや、この子が…。話題の…。
「…越前」と手塚君の声がコートに響く。
やっぱりこの子が話題の越前リョーマって子だ!!
何でもテニス部の先輩たちから勝利をもぎ取り、一年でレギュラー入りを果たしたとかいう生意気で有名なスーパールーキー!!!
「聞いていると思うが、今日から一緒に練習するかるた部員だ」
手塚君のその一声を聞いた瞬間、越前君はゲッとものすごーく嫌そうな顔をする。そして私の方に一歩踏み出したと思ったら、軽く頭を下げた。
「鼻にボールぶつけてスミマセン」
「……」
一瞬の思考停止。
そして「ああっ!」と声を上げる。