テニスのキング様
□お預け
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景吾君と両想いになってからというもの、学校生活は―。
特に変わらず…。
いや変わったには変わったのだけれど。
どこからともなく景吾君と付き合っていると全校生徒に広まって、質問攻めにされるかと思えば…。質問されたのは数える程数人で。
嫉妬で嫌がらせをされるかと思えば特に何もされず。かといってチヤホヤもされず。
そしてファンクラブも存続し続け、今も私はファンクラブの子たちと混じって景吾君を応援しているという変わらない生活を送っている。
まぁ、それはかなりありがたい。皆の配慮あって普通に過ごせてもらえているのだから。
「根津先輩」
隣で一緒に景吾君を応援していた一年生に声をかけられた。
「ん?」
「跡部先輩と付き合っているんですよね」
「あ、うん。お陰様で。いろいろとアドバイスありがとね」
「いや、それは別に」
この一年生にはいろいろとお世話になったなぁと胸が熱くなる。
私の好敵手であり、途中からアドバイスもしてくれて。本当にありがたい。