テニスのキング様
□遊園地デート
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観覧車から景吾君にエスコートされて降りる。
「さて、次は」と、景吾君が話したところで固まる。
「景吾君?」
私はおそるおそる景吾君の顔を覗き込むと、景吾君は急に片手を上げる。
そしてパチンと指を鳴らした。
「樺地。タオルだ」
「ウス」
前の死角になっている柱から、何故か樺地君が出てくる。
「…?」
え、ここ貸し切りなんだよね。というか、デートって三人でするものじゃないよね。もしくは、景吾君はデートでも付き人がいると考えているとか?
そんな混乱をよそに柱から樺地君以外のテニス部員がぞろぞろと出てくる。
「アーン?お前らどうしてここに」
「氷帝の学生証出したら、普通に入れてくれたぜ」と向日君。
「言っておきますけど、俺は止めましたよ。だけど他の人は後をつけようと」
「だって楽しそうだC」
冷たい目を向けている日吉君と対照的に珍しく目をキラキラさせている芥川君。
「あの、景吾君。もしかして今までの全部見られて…」
「後をつけられていたってことはそうだろうな」
景吾君にはっきりと言われてしまい、顔を手で覆う。
両思いになって、こ、恋人同士になったわけだけど。まだ慣れてないから見られていただけで恥ずかしい。…というか景吾君と一緒にいることになれる日って来ないような…。
そんな中、景吾君は深くため息を吐く。
「烈火、悪いな」
「え?」
「デートはまた後になりそうだ」