テニスのキング様
□遊園地デート
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キラキラと遊園地独特の光が目の前に見える。そして私の隣には憧れの跡部君。
「烈火行くぞ」
跡部君に手を引かれる。
「ま、待って。跡部君」
「……下の名前だろ」
「け、景吾君」
名前で呼ぶと跡部君…じゃなくて、景吾君は「何だ」と答えてくれる。
「あの、行くってもしかしなくても遊園地に?」
「アーン?当たり前だろ」
ってことはもしかしなくても、しなくても!?
「で…デート、ですか、ね?」
「ああ」
景吾君は冷静に返事を返す。
ドキドキ、と胸が波打っている私のことなどお構いなしだ。
すると景吾君は私を急に凝視する。
「?」
「手を出せ」
「手?」
右の手のひらを向けると、景吾君は左手をギュッと少し強めに絡ませてくる。
思わず顔が赤くなってしまう。
景吾君はそんな私の顔をみて、フッと笑うと手を引っ張りながら遊園地に入っていく。
「…」
なんとなーくそんな予感はしていたが。遊園地には私たちの他にいない。つまりは貸し切り状態だ。
「さ、さすがは景吾君」
「何だ?」
「い、いえ。何でもないです」