テニスのキング様
□両想い
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−跡部視点―
「俺様が恋人同士になってやってやるって言ってんだ」と言ってからというもの、肝心の根津はといえば、口は半開き、目は宙をみたまま固まっている。
あいつ、あんなに熱烈にアタックしておきながらまさか…。
失神しているのか…。
対する根津の両親はというと、俺様を睨みつけている。
「付き合うだと?よくもまぁ、親の前で勝手なことが言えたものだ」
「アーン?自分だって娘を勝手にしているじゃねーか」
両者はバチバチと睨み合いを続けている。
根津は相変わらず失神したままだ。
こりゃあ、起きるまで時間がかかるな。
「だいたい」と根津の父親はまくしたてる。
「君は一体何なんだ。急に娘の部屋に忍び込んで」
まぁ、両親からすれば娘の部屋に勝手に入ってきた男という点には違いない、か。
俺様は胸を張って大股で一歩近付く。
「今日からこいつの彼氏になった跡部景吾だ」