テニスのキング様
□救出
1ページ/4ページ
父と母に部屋に閉じ込められて三日。本当に私の新しい学校が決まるまで、外出させないらしい。いや、むしろ部屋から許可なしで出られないでいる。
深くため息を吐く。
もう、三日だ。氷帝学園が恋しい。クラスメイトと親衛隊の顔が見たい。
告白の返事が気になるのも、もちろんあるけれど。それよりも何よりも…。ただ…。
ー跡部君に会いたい−
時計にふと目をやる。時間は午後四時。
今頃授業が終わって、テニス部が練習をしている頃だろうか。きっと跡部君のことだ。負けたからってウジウジなんかしていない。きっと来年に向けてビシバシと指導しているんじゃないだろうか。
スッと息を吸う。
胸を抑えながら二階の自室の窓へと近付き、窓を開けた。
下を覗き込む。庭には誰もいない。
ー逃げるなら、今−
けれど…。ここから飛び降りるのは痛いだろうな。
グッと窓へと足をかけた。
「いざっ!」
両足を窓の縁にかけた瞬間、ダダダダダと爆音が響き渡る。
ハッとして地面から空へと顔を上げる。
音の出どころは、私の家の上だ。
黒いヘリコプターが私の家の上でグルグルと旋回している。やがてヘリコプターから梯子のロープが部屋の前に降りて来たかと思うと、ヘリコプターの中から…。
「跡部君っ!!!」