テニスのキング様
□決戦後
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父の怒鳴り声が家中に響き渡る。
そのあまりの声の大きさに肩をすくめる。
父は一瞬間を置いて咳払い。母はそんな父を見て、私に視線を向ける。
「烈火。私達はね、そんなくだらないことをさせるために氷帝学園に入学させたわけじゃないのよ」
「…」
「勉強して、いつかいい会社に入ってもらうために入学させたの」
私は下唇をグッと噛む。
「でもっ」
両親の顔を見る。恐る恐る言葉を紡いでいく。
「やりたいの。はじめて、これだけは諦めたくないって思えたの」
跡部君が私のこと、好きじゃないとしても。それでも私は。
−好きになったことを後悔しない−
「だから」と言葉を続けようとする。だが、ガタッと父は椅子から立ち上がる。
「もういい」
「え…」
「お前はもうあの学校に行くな」
意味が分からず、一瞬固まる。父は私に背を向け歩き出す。
「氷帝学園を退学させる。お前の新しい学校が決まるまで、外出は一切許さない」