テニスのキング様

□決戦後
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氷帝と青学がコートの真ん中にズラリと並ぶ。

「礼っ!」
「ありがとうございました!!」

私は跡部君をチラリと見た後、コートから背を向けて歩きはじめる。

このまま跡部君に会う自信がない。何を話していいか分からない。

それに跡部君だって困るだろうし。

きっと今一番困惑してるのは跡部君のはずだ…。

私は家に向かいながら、スーハ―と深呼吸をする。

きっと明日になれば大丈夫。跡部君が私のことを恋愛対象と見ていなくても、受け止められるはずだ。

だから今は…。落ち着かせてほしい。

明日は。明日は−逃げたりしないから。



−跡部視点―

「「「氷帝 氷帝!」」」

観客席からコールが鳴り響く中、跡部はコートの周りを見渡す。

だが目的の人物は一向に見当たらない。

そんな中、跡部の気持ちを汲み取ったのか忍足が「おらへんな、会長さん」と呟く。

「途中まではいたはずなんだがな」

「まぁ、あの会長さんもショックやったんやろ」

「…」

告白の返事、か。

跡部は軽く目を瞑る。

俺様はあいつを…。根津のことをどう思ってるんだ。好きなのか…。

一年の始業式に告白され、三年生の今までずっと俺様を慕い待っていた女…。
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