テニスのキング様

□嫉妬心
4ページ/4ページ

跡部君はそんな私の様子を見て、楽しそうに笑っている。

「ま、そういうわけだ。俺様には付き合っている女はいない」

「うん」

そうか…。良かった…。私、まだ…。

「跡部君のこと、まだ好きなままでいいんだよね。跡部君のこと、諦めなくても」

不安になって目が泳いでしまう。

そんな中、跡部君は私の目をジッと覗き込む。腕は跡部君に捉えられたままだ。

「当たり前だ。今年は必ず氷帝が全国の頂点に立つ。だからそれまで待ってろ」

「は、はい」

跡部君は私から手を離す。

やっぱり跡部君、かっこいい…。何をしても様になるなぁ。

「さて、そろそろ教室に戻るぞ」

跡部君は来た道を堂々とした足取りで戻っていく。

私も跡部君の後を少し離れて歩く。

「そういえば根津」

「は、はい」

「今日の練習は見に来るんだろ」

跡部君は顔だけを私に向ける。

返事を待っている。

「うん、もちろん」

私は大きく頷いて、跡部君の隣に駆け寄った。


次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ