テニスのキング様
□嫉妬心
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跡部君はそんな私の様子を見て、楽しそうに笑っている。
「ま、そういうわけだ。俺様には付き合っている女はいない」
「うん」
そうか…。良かった…。私、まだ…。
「跡部君のこと、まだ好きなままでいいんだよね。跡部君のこと、諦めなくても」
不安になって目が泳いでしまう。
そんな中、跡部君は私の目をジッと覗き込む。腕は跡部君に捉えられたままだ。
「当たり前だ。今年は必ず氷帝が全国の頂点に立つ。だからそれまで待ってろ」
「は、はい」
跡部君は私から手を離す。
やっぱり跡部君、かっこいい…。何をしても様になるなぁ。
「さて、そろそろ教室に戻るぞ」
跡部君は来た道を堂々とした足取りで戻っていく。
私も跡部君の後を少し離れて歩く。
「そういえば根津」
「は、はい」
「今日の練習は見に来るんだろ」
跡部君は顔だけを私に向ける。
返事を待っている。
「うん、もちろん」
私は大きく頷いて、跡部君の隣に駆け寄った。