テニスのキング様

□嫉妬心
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足が重い中、教室に入っていく。入るといつも通りの席に跡部君はいて、たくさんの女子に囲まれている。

今日、朝練見に行かなかった…。ここ最近、テニス部の練習に顔を見せていないし。

跡部君と顔を合わせづらい…。

横目でチラリと跡部君を見ながら、自分の席に着く。

勝手に跡部君に恋をして、勝手に落ち込んで。全部自分の身勝手なんだけど。それでも…彼女いるなら言ってほしかったし、あわよくば振り向いて欲しかった…。

首を下げて俯く。見えるのは机の茶色だけ。

「おい」

「っ!」

頭の上から声が聞こえてきて、固まってしまう。

…跡部君だ。

私は俯いたまま、席を立つ。

「おい!」

跡部君に腕を掴まれる。けれど…。私は跡部君の腕を思いっきり振り払う。

「っ!」

そしてたまらず走り出した。

「おいっ!根津」

私の後を跡部君が走ってくる。

一生懸命走るが帰宅部の人間が運動部に勝てるはずもなく…。あっけなくまた腕を掴まれてしまった。
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