テニスのキング様
□図書館デート
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そんな私の動揺など物ともせず、跡部君はクツクツと笑う。
「根津…お前。変なところで面白いな」
「へ?」
「普通俺様をゲットしようとするなら『教えてください』と群がってくるところだろ」
そ、そうなの?
「えっとでも。地区予選始まってるし。跡部君に迷惑をかけられないというか」
モゴモゴと口を動かす。
ものすごく恥ずかしいけど、でも。一年生にも応援されていることだし、何より私がちゃんと想いを伝えたい。
「跡部君に教わるなんて、その。嬉しすぎて…。死んじゃう」
私は顔を真っ赤にしながら俯く。
ドキドキと心臓が高鳴る。やっぱり私。跡部君のこと、好き、だな。
「…そうか」
跡部君は一言呟くと、窓を見る。
図書館の窓から外を見る跡部君、絵になるな。
「まぁ、それはそうと今度一緒にやってみるか」
「え」
「テニス」
…。ハイ?今の私の話、聞いてました?跡部君と練習したら嬉しすぎて死ぬって。
私が余程間抜け面しているからか、跡部君はクツクツと笑う。
「…からかってる?」
「半分はな。半分は…本気だ」
跡部君はそれだけ言うと図書館から出ていく。
これって…。本当に一緒にテニスしてくれるってこと?