テニスのキング様
□嫉妬
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氷帝学園テニス部はこれから忙しくなる。いよいよ選抜メンバーを決める日だ。
といってもこれまでテニス部を見てきているから、なんとなくメンバーの予想はつく。もちろん跡部君は氷帝テニス部で一番強いから、メンバーに選ばれるのは分かりきっているんだけど。
私はテニス部の練習を他のファンクラブの子と混じって見つめている。
ポンポンと心地の良い音が鳴っている中、目だけは跡部君に釘付けになる。
いつ見ても綺麗なフォーム。美しいたたずまい。
やっぱり…好き、だなぁ。
「あの」と隣から声がかかる。
ここ最近ファンクラブに入った一年生だ。
「どうしたの?」
「あの」
一年生は口をモゴモゴと動かしながら、言葉を紡いでいく。
「根津先輩って…跡部先輩と付き合ってるんですか」
「……ハイ?」