テニスのキング様

□バレンタインデー
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今日は一段とテニスコートに女子が集まっている。

というのも、今日はバレンタインデー。

いつもはファンクラブの子を落ち着かせている私も今日は特別。

今日だけはある程度ファンクラブの子達も自由。まぁ、跡部君の邪魔にならない程度には…だけれど。

私は潰れない程度にチョコの入った箱をグッと持つ。

本当は一、二年の時と同様に授業が終わった後に渡したかったのだけれど。今年は同級生だけではなく、跡部君が好きな後輩も多い。そんな訳で、テニス部の活動が終わるまで私はこうやって待っているわけである。

でも、もしかしたら無理かも…。

私は周囲を見渡す。

当然と言えば当然なのだが、ここも人が多い。皆、考えていることは一緒かー。

―テニス部の誰かに渡してもらおうか―

一瞬、そんな考えがよぎって頭をブンブンと振る。

ダメダメ、ここで諦めるわけにはいかないんだから。

それに待つことに慣れているじゃない。ここでへこたれるような私じゃないんだから!
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