テニスのキング様
□不思議なデート
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今の私はすごーく居心地が悪い。
普通の商店街のラーメン屋にリムジンが停まっている光景なんて、きっとこの先見れない。
そして跡部君は集まる視線を全く気にせず、ラーメンをズルズルとすすっている。
「凄い光景だ…」
私のひとり言を気にせず、跡部君はラーメンをひたすらに食べている。
「食べねーのか」と跡部君。
「え、いや、食べる、よ」
私もラーメンをズルズルとすする。
「…おいしい」
不思議な光景の中にいるけれど、ラーメンは相変わらず美味しくて。
隣には跡部君がいて。
さっきの気持ちはどこへやら。
幸せ。
すると一足先に食べ終わった跡部君が、私を見る。
「よかった…」
「え?」
「さっきまで暗い顔していただろ?元のお前に戻ってよかった」