テニスのキング様
□恒例マネージャー探し
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いいいいいい、言っちゃったぁ!!!!言っちゃったよぉおおおおおお!!!
「そ、それにね」
私は取り繕うようにして、早口で話す。
「跡部君が望んでいるのは私みたいなマネージャーじゃないでしょ」
「…」
「跡部君が望んでいるのは本気で氷帝テニス部を考えて行動してくれる人。一緒に氷帝テニス部を全国に導こうとしてくれる人」
私が視線をそらしたままなのに対し、跡部君はこちらをジッと見つめている。
「だから、その。跡部君のことしか考えられない私は…。マネージャーにはふさわしくないし。なれないと思って…」
ここまで一気に喋った反動か、辺りはシーンとしている。
跡部君も何も言わない。
「あ、あの」
沈黙に耐えられなくなって口を開こうとした時、跡部君の右手が伸びてきて…
両頬をギュッと掴まれる。
「あにょ、あとへくん?」
声が出しにくいまま、跡部君に呼びかけるが跡部君はクスリと笑う。
「変な顔だな」
「っ!?」
変な顔!?
「しょ、しょれはちょっと…乙女にしつれー」
相変わらず跡部君の顔は笑ったままだ。