テニスのキング様
□恒例マネージャー探し
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四月、この時期は男子テニス部とそしてファンクラブ内は妙に慌ただしくなる。
なにせ恒例のマネージャー探しがあるからだ。
私が学校に来てからというもの、マネージャーに相応しい人が見つからないのか。この二年はマネージャ―不在だった。
「今年こそは!何としても跡部様のお側に!」
「会長もマネージャー候補の面接に参加するのでしょう?」
他のファンクラブの子に紛れて一年の子が私に話題を振ってくる。
マネージャ―になるには、テニス部員のメンバーと面接をしなくてはならないという、どこぞの企業のようなことをしなくてはならない。
私は一年の子に向かって首を振る。
「私は…マネージャーにはならないし、なれないと思うよ」
「え…」
一年の子はポカンとして私を見ている。
その様子がなんだか可愛らしい。
私はクスリと微笑んで、一年の子に「面接頑張って」と送り出した。