テニスのキング様

□独白
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あれから…私は三年生。跡部君のことは変わらず私の憧れで、尊敬する人で、大好きな人だ。

そのせいか、何故か今では跡部君のファンクラブ会長をやっている。

そもそも私はファンクラブなんて作った覚えはなかったのだけれど気付いた時には出来ていて、私が長年跡部君のことを想っているからかいつの間にか会長になっていた。

でもファンクラブ会長は別に嫌じゃない。

跡部君のことが好きなことは事実だし、寂しくはあるけど跡部君を好きな子がたくさんいることは嬉しいことだし。

その時、「「「キャー!!!」」」と歓声が聞こえてジャージに着替えたテニス部の部員たちが部室から出てくる。

跡部君はいつも先頭で出てくる。

跡部君が出てくると、ファンクラブの子がいつも跡部君に声をかけようと、手作りのプレゼントをあげようと一斉に集まってくる。

ここで、ファンクラブの会長である私の出番だ。

私はパンパンと手を打つ。

「はいはい、そこまで。これから部活だから、お話やプレゼントは部活が終わってから!」

そう言うとなんだかんだ言いながら、皆口々に離れて跡部君のことを遠巻きに見ている。

今の跡部君は氷帝テニス部を全国に導くことしか考えていない。だったら私も…。私も跡部君の為に邪魔にならないように熱烈に応援しないと!
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