テニスのエース様

□心を伝えよう
1ページ/6ページ

空港――

ついに、この時が来てしまった。手塚君が九州に旅立つ日が……。

私達かるた部も特別にテニス部と一緒に、手塚君の見送りに空港に来ていた。

何故か越前君、桃城君、海堂君が見送りに来ていないけれど。

「結果的に皆に迷惑をかけてしまった。すまない」

手塚君は深々と頭を下げる。

「何言ってんだい手塚よ!誰もお前を責めたりはせんよ」

「うん…。関東大会勝って全国への切符を必ず手に入れとくから」

と、竜崎先生と部員たちが励ます。

テニス部は手塚君が抜けて苦労するだろうけれど、でも。今の光景を見ていると、皆がその穴を抜けてくれるだろうと思った。

「藤原」

手塚君が椅子から立ち上がり、私へと一歩近づく。

「藤原にも迷惑をかけたな」

「う、ううん」

「そうか…。俺は…」

手塚君はそこまで言って、何故か黙り込んでしまった。

???

それに何故か、かるた部もテニス部も遠く離れたところから私たちを見ている。竜崎先生までも、だ。

何なんだろう…。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ