テニスのエース様
□畳の格闘技
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その後、お互いにいい所と悪い所を反省し合い今日のかるた部の練習は終了。
テニス部もその流れで解散になった。
私は茶道部の鍵を閉めるために皆を見送る。なのに、何故か手塚君も茶道部に残っていた。
「…手塚君?」
私は後ろにいる手塚君を振り返る。
手塚君は静かに頭を下げた。
「て、手塚君?」
「練習を見ていてとても為になった。ありがとう」
「え?」
為になったのだろうか…。
うーんと眉をしかめる。
「藤原は凄いな」と手塚君。
「…どういうこと」
「自分の欠点を見直し、相手に素直に謝ることが出来る」
さっきのことか…。
褒められていてもなんだか複雑な気分。
「欠点に気付くことが出来ても、誰かに自分の欠点をさらすことは普通はなかなか出来ない」
「…そうかな」
「ああ」
手塚君は私の手に持っている鍵をさりげなく持ってくれる。
「明日からお互いまた頑張ろう、藤原」