テニスのエース様
□練習開始
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かるた部員たちが恐い目つきでこちらを見てくる。
でも、ここでやめたら強くなれない。
「あの、皆不安だとは思うけれど。でも、うちのかるた部は試合が後半になるほど体力が落ちて集中力も減る。だからこのテニス部との合同練習で克服したいと思ってるの」
拳をグッと握る。
部活も、そして私も
−強くなりたい−
「まぁ、仕方ないわね」と副部長の恵歌に続いて、皆なんだかんだでしぶしぶ頷いてくれる。
「よし、油断せずに行こう」
手塚君の一声で私達は校庭に出て行った。
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ゼェゼェと息を荒くしながら、醜い姿で走り続ける。
五周目…。
かるた部がやっと五周目に入ったのに対して、テニス部レギュラー陣は十周を走り終わったようだ。
これは…マズイ。
かるた部員の私含め女子メンバーはいつ倒れてもおかしくない状態。男子メンバーは女子メンバーに比べて余裕はあるけれど、それでもかなり辛そう。