テニスのエース様

□補い合い
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「うちの部員が本当にすまなかったな」

手塚君は深々と頭を下げる。

「だ、大丈夫だって」

「いや、しかし…」

手塚君は頭を上げ、私を見る。

「よかったらだが…」

そして手塚君は口を開く。

「よかったら一緒にテニス部と練習しないか」

「え?」

「かるた部の事情はよく分からないが、体力が必要なんだろう」

そ、それはそうだけれども…。

かるたの試合は最低でも二時間はかかる。しかもそれが休みなしで三連続、四連続と試合するから…。
うちの部は最後の最後で負けてしまう人が多い。

「確かに一緒に練習できるならしたいけれど、でも。他のテニス部員に迷惑じゃないかな?」

「いや。藤原に迷惑をかけているし、何か出来るならしてやりたいと思っている」

手塚君に真剣な眼差しで見つめられてドキっとしてしまう。

「それに…うちの部員にもかるた部員を見習ってほしい部分はあるしな」

「見習う??」

私は首を傾げるものの、手塚君はそれに答える気配はない。

「とりあえずは明日の放課後、テニスコートに来てくれ」

「え、ええ??」


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