テニスのエース様
□補い合い
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手塚君のハンカチを両手で優しく持ちながら、テニスコートの外でテニス部の練習が終わるのを待つ。
大丈夫。ハンカチに鼻血の痕は残っていないし、いい匂いのする洗剤で洗ったし。うん、大丈夫、大丈夫。
ちなみにかるた部はというと…。
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テニスボールが私の鼻に当たる鼻血事件のせいで、畳は予想以上に真っ赤。畳に赤いシミができてしまい、畳を取り換える事態に…。しかも新しい畳が来るまでには数か月かかるらしく。
「と、いうことなのでしばらくかるたの練習は出来ません」
競技かるたなんて床で出来るだろうなんて言う人がいるけど、床じゃ無理。
札を取るのに勢いをつけるから受け身をしっかりとらないといけない。その時に床でやっていたら突き指は免れない。
「じゃあ、どうするんですか」
と眼鏡が印象的な一年の源君が発言する。
「しばらくは暗記に力を入れようと思います。とりあえず今日は神経衰弱でもしようか」
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っで、神経衰弱も一通り終わり早めに部活を切り上げてきた。
もちろんかるたには暗記力が求められているから、今日やったような神経衰弱だって立派な練習だし強くなるための一歩なんだけど…。
「うちの問題は体力なんだよなー」