テニスのキング様
□救出
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「誰だ…この男は」
その言葉に跡部君は、眉を寄せた。
「あ、あの、跡部君」
眉を寄せた跡部君を見て、急いで声をかける。父母と跡部君が仲が悪くなるのは…マズイ。
「この二人は私の父と母でして」
「なるほどな」と感心する跡部君をよそに、母が私に向き直る。
「烈火…。もしかしてこの人がファンクラブの人なんじゃないの」
「っ!それはっ」
どうする。何て説明する。
思わず目を泳がせてしまう。
父はそんな私の態度で察したのか、深くため息を吐く。
「烈火。お前はこんなやつのファンクラブなんか入っていたのか」
「っ!」
「氷帝学園を退学にしたのは正解だったようだな」
グッと手に拳を作る。
負けるな。諦めるな。
「私は…退学しませんっ!」
熱烈に−想いを伝えろ。
「それに跡部君は…とても素敵な人ですっ!」
「…」
「…」
父の厳しい視線に耐える。
本当は、分かってるんだ。父と母の言っていることもちゃんと分かっている。私の将来のことを心配しているって。
それでも。
諦めきれない!