テニスのエース様
□合同練習開始
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自己紹介が軽く終わると、さっきまでの堅苦しい雰囲気は少しだけほんわかとする。
テニスコートの外を見てみると、周りは女子だらけだ。
うちのかるた部は『青学一の美人』と言われる定子ちゃん目当てで男子が多かったからちょっと新鮮。
まぁ、こうやって自己紹介を終えてみると手塚君を含め皆、外見いいからなー。
でもうちの部にも赤髪のイケメン、柿本君がいるもん、と、謎の対抗心。
「それでだ、藤原」
手塚君が相変わらず険しい表情でこちらを見つめる。
「今から…校庭10周走るのだが」
「校庭10周!?」
あまりにも聞きなれない「校庭10周」という言葉に食い気味に返す。
いや、だって校庭10周だよ。授業で行うマラソンだってそんなに走ったことないよ!?
「いけそうか」
いけない…と思うけれど。でも、もしかしたらテニス部だけじゃなくて運動部はそのくらい走り込みをしているのかも。
だったら、うちのかるた部もそのくらいやらないと。いつまでも勝てないっ…。
「いきますっ」
「「「「「マジかよっ!!!」」」」」
とすぐさまに全員がつっこむ声が聞こえた。