(ff8 )ファンタジーなお星様

□サイファーと塔の上の女の子〜出会い編〜
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第2話「対処の仕方なんて分からない。ただ私は今が嫌なだけ。」


ふいに思い出した。小さい頃は誰かと話したくて侍女に話しかけてたんだっけ。
「……えっと、ごきげんよう。貴方はどちら様かしら?名前を教えていただける?」
そう問いかけて、その人はやっと動き出した。
「……ここが最上階か?」
おかしな人だと思った。質問を質問で返された。質問しているのは私なのに……
「ええ、そうよ。ここが最上階。何もなくて残念だったわね?小さな冒険者さん?」
「……ッチ…お前は誰だ?」
「私は………名前がないの。私には必要ないそうよ。外にも出させてもらえないの。……それで、貴方は?」
「…なんで、閉じ込められてる?出たいとは思わないのか?」
「何回も思ったわ。下の扉の前まで行ったりもした。けれど、開かなかったの。どんな手を使っても無理だったの……」
私は下を向いた。
「……なぁ、お前…………」
彼が口を開いた時、侍女が使用している方の下の扉が開く音が聞こえた。
「静かに、侍女が来てしまったみたいだわ。クローゼットの中で静かにしていて」
私は彼をクローゼットに押しやった。

________________クローゼットの扉を閉める前に見た彼は、私より少し高い背を縮めて不機嫌そうな顔をしていた______
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