(ff8 )ファンタジーなお星様

□サイファーと塔の上の女の子〜出会い編〜
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第1話「君に出会って初めて生きてて良かったと思えた。」


ねぇ、わたくし、おそとにでてみたいわ
“それはなりません”
どうしておそとにでてはいけないの?
“貴女様が大切なお方だからですよ”
どうしておそとのことをおしえてくれないの?
“貴女様が外に出向く事は無いのです。ですので、知る必要はございません”
じゃあ、あなたのなまえをおしえて。それならいいでしょ?
“いけません。私の名など貴女様が知る必要はないのでございます”

_________________小さい頃の夢を見た。
あれは、本が読めるようになって、外に出てみたいと侍女にお願いした時のこと。
私はそのうち、外に出たいとは言わないようになっていた。
そして、今、15歳になった。
いくつになっても生活は変わらない。
起きて、本を読んで、歌を歌って、ピアノをひいて、寝る。
たまに、剣を持ってモンスターを倒して下まで降りる。けど、扉が開かなくて、諦めて部屋に戻る。
その繰り返し……ものすごくつまらない。

___そう思いながら歌を唄っていたその時、下の扉が開く音がした。
侍女が来る時間はもう少し後のはずなのに…
私は唄うのをやめて振り向いた。


_______________見えたのは淡い金色のオールバックと透き通った翡翠色の大きく開かれた目。私の心は不自然なほどに高鳴った___________
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