(ff8 )ファンタジーなお星様

□サイファーと塔の上の女の子〜出会い編〜
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第4話「その言葉がどれほど嬉しかったかなんて、きっと君は知らないのだろう。」

それから、サイファーは週末、侍女がお昼ご飯を置いていった後に決まって来るようになった。
私はサイファーの話を聞くたびに無くなりかけていた、外に出たいという気持ちが強くなっていった。

初めて出会った日から1年くらい経った。
今日もサイファーは部屋のソファで私の膝を枕にして、ゴロゴロしながら、‘ガーデン’についてを話してくれていた。
「…それで、雷神がチキン野郎を追いかけてたらよぉ、チキン野郎Tボードで女子トイレに突っ込んだんだぜ?あれは傑作だった!」
「 ‘チキン野郎’さんはあわてんぼうなのね!それで、どうなったの?」
「ん?あぁ、チキン野郎はセンコーに怒られてたよ。罰則でも食らったんじゃねぇかな?」
そういうと、サイファーはまた、くくくっ と笑った。
「…いいわね。そういうの。私もサイファーが話してくださる方々に会ってみたいわ」
「…………じゃあ、抜け出すか?俺がお前の行きたいとこに連れてってやるよ。お前が望むことをしてやる」
嬉しい、と思った。
でも、私はずっとここにいて、抜け出していいのかさえわからなくなっていた。
「…私は………いいのかしら?抜け出しても…」
「ずっとここにいるなんてつまんねぇだろ?」
…おかしい…今日の彼は何か焦っている気がする。
前もこんな話になったが、彼がうやむやにして終わったのに…
「ねぇ、サイファー、正直に答えて。何かあったの?」
私は嬉しかったからこそ知りたかった。彼が急に言い出した理由を

____________彼は私のお腹に顔を押し付けて顔を隠した。
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