Dream#1
□タカに女が出来たらしい。
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薫side
私は見てしまった。
「あの、鷹山先輩……」
ガードの硬さで有名なカノンちゃんと、
「2人の時は鷹山先輩じゃないだろ?花音。」
タカさんが、
「ごめんなさい、敏樹さん。」
手を繋いで、ホテルに入っていく所を。
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翌日……
トオルside
「ホントに見たの!」
真山先輩が噂話をネタに騒がしいのはいつも通り。
しかし、今回ばかりは俺も大下先輩も耳を傾けざるを得なかった。
「どう思います?」
眉間にシワを寄せて話を聞いて俺は、そのまま顔を上げて大下先輩に話を振った。
すると先輩は俺と同じ表情をしながら、ただ少しだけ悲しそうな顔で、
「俺には愛想笑いしかしないのに…」
とボソっと呟いて、それ以外に何を言うわけでもなく立ち去ってしまう。
「ちょっと、どこ行くのよ。大下さぁぁぁん!」
それに着くように真山先輩もその場を離れていく。
取り残された俺は1人、
「花音ちゃんの事、ちょっとだけ狙ってたのに。」
と誰に向けるでもない言葉を放ったのだった。