本編

□[2] “支えたい”という心
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(ショウを支えたい...)
何時しか,そんな思いを抱くようになった。
凛華は今日もショウの呟きに目を凝らしていた。

@凛華【ショウ。お部屋いい?】
@ショウ【いいよ】

凛華の言う“お部屋”というのは,1対1で会話のできるダイレクトメール(DM)の事だ。

ショウに許可を得た凛華は早速本題に入る。

@凛華【ショウ,一人で抱え込まなくていいんだよ。もし良かったら,私が相談相手になる。
前のお返し。色々話聞いてくれたし。
今度は私が支える番。
それで考えたの。
ショウを支えるためのアカウントを作ってショウだけフォローする。
そこでなら公には言えない本音もいっぱい言えるでしょ?
ショウの為になるなら何でもするよ。】


思い切った行動だ。
“ショウの為なら何でもする”
嘘ではない。本心で凛華は思ったのだ。
程なくして返事が来る。


@ショウ【いいの...?】

不安なのだろう。少し元気の無い返事が来た。
(支えてあげなきゃ。)


@凛華【いいんだよ。実はもう作ってたり...】


返事を待っている間に凛華は行動を起こしていた。

@ショウ【ありがとう...】
@凛華【どういたしまして】


新しく作ったアカウント,ショウだけしか居ないアカウントで凛華は初めて,ショウがどれ程自分の事が嫌いなのかを知った。
その境遇を自分に重ねて理解する。自分のことは大事に出来ていない凛華だが,支えると決めた相手に対しては,とことん尽くすタイプであった。

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