DB小説(長編)
□清める体と心
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「♪~~~」
久々のお風呂に私は鼻歌を歌っていた
自分の立場さえも忘れ、今も人間達が苦しんでいる事さえも忘れていた
長い髪を濡らし、体を濡らしていく…
濡れた彼女の姿は恐らくブラックにとっては美しいのだろう…
その体には、いくつもの戦いの跡を刻んできた…
それでも、彼女の体は綺麗だ…
「ふぅ…」
湯船に浸かる…
洗った髪と体からはとても良い匂いがしていた
男性が使うには、甘すぎる匂いだ…
そして湯船の中で考える…
『私は一体何の為の人質なのだろう…』かと…
「うーん…
計画の障害にならない為なら分かるけど…
なら、何故私に危害は加えないの…?」
確かに幾度となく彼は私を苦しめてきた…
それでも私を殺さぬように手加減をしていた…
そこだけが何故か分からなかった
ただ1つ考えられる事は…
『私の事を愛している』という事…
「あー!!
考えても仕方ない!!
今は出来る事を考えよう!!」
私は考える事をやめた
その声を外で聞かれているとは知らずに…