小説

□生意気な後輩
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「見つけましたよーナヨン先輩」

「げっ」

「げっ、じゃないですよ。会議始まってるので早く戻ってください」

この生意気な後輩は生徒会副会長のジヒョ。

生徒の自由投票かなにか知らないけど、やりたくもない生徒会長をやらされることになった私。もちろんサボりたくもなる。真面目に部屋に閉じこもるなんて性に合わない。

毎回生徒会長の集会をサボる私を見つけるのはいつの間にかジヒョの仕事になっていた。

お喋りをしながら廊下を歩く。

「あれ、ジヒョネイル変えた?」

「可愛いでしょ!」

「いや、まだ可愛いって言って無いんだけど…」

人の話も聞かず嬉しそうにネイルを見せてくるジヒョ。呆れながらも、新しいものを見せびらかしたくなる子供っぽいところが可愛いんだよね、とか考える。

「先輩、話聞いてないでしょー」

「聞いてるって」

「嘘だ〜」

ちょっと拗ねた顔でこっちを見てくる。コロコロと変わる表情は見ていて飽きない。

ジヒョは学校でしっかり者として知られていて、副会長として票が集まったのもそのためだ。

私もそう思っていたので、ジヒョが副会長になると聞いた時は正直面倒だな、と思った。

しかし、話してみるとノリが良くて、意地っ張りなところもあって、なんだ面白い奴じゃないと見直した。


周りからは私がジヒョに面倒見られているように思われているが、ジヒョはああ見えて実は小心者だつたりするので、たまにへなちょこモードにはいったときは私がフォローしている。

へなちょこモードになったジヒョはいつもの威勢は何処へやら、私の後ろに隠れて私に頼りきりになる。

ギャップ萌えというのか、そういう一面を見てからなんだか可愛いく思えてきた。



そんな、私の生意気な後輩。
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