本編
□ライチ
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全員がクラブに着き、とうとうライチを動かす時が来た。
ゼラはあらかじめ燃料であるライチを食べさせていたので、後はスイッチを押すだけ。
〈なんか...ドキドキするな〉
「ではデンタク、起動の数字を押すのだ!それは666!」
全員の空気が緊迫する中、ゼラは叫ぶ。俺も結構興奮していた。
「666!それは悪魔の数列!君がもたらすものが何であろうとも!僕達には君が必要だ!!さあ目覚めよライチ!!」
「6、6、6!」
デンタクはゼラの言葉で、リモコンである電卓に666の数字を打ち込む。
ガガガガガガガ!!
すると目の前のロボットは、機械の音と共に全身を奇妙に動かした。
「起きたぞ!」
「ボクたちのライチ!」
「ライチ...」
俺もライチの名を口にする。
動いた。ついに動いた。俺はドキドキと鳴る心臓を抑える。
ゼラはライチへと歩み寄る。ライチはシューという音を出し下を向いた。
「おはよう、君の名前は?」
「私...は...ラ...イ...チ...。私の...名前はライチ...」
〈喋った...!〉
ライチは思っていたより機械っぽくなかった。口も細かく作られているのか、ちゃんと喋っている。
「そうだ。では君が生まれてきた目的はなんだ?」
ゼラは続けてライチに問う。
「ホカク...ショウジョ...ホカク」
「そうだライチ。君の目的は少女のホカクだ」
「ライチ」
「ライチ」
「ライチ」
「ライチ」
その言葉で皆はライチの名を呼ぶ。俺もいつの間にかライチの名を呼んでいた。
「君は破滅の悪魔か、希望の光か、ライチ、ラライチ、ララライチ...」